引越し会社の選び方
引越し会社の違いを知ろう
「荷物を運ぶ」というサービスそのものは同じであっても、実は引越し会社にはそれぞれ違いがあります。まず大きな違いとして、大手と地域密着型があります。当然それぞれに特徴があり、メリットも異なります。大手は営業拠点を広範囲に有しているので、多くの地域で同じサービスを受けることができます。また組織的に分業化が確立されているので、電話やメールでの一次的な見積もり、訪問見積もり、引越し作業といった各工程の対応がしっかりしています。ですから、質問の回答や見積り書の提示に時間がかかり過ぎたり、担当者不在で話が進まなかったりということはほぼありません。また、オプションサービスのメニューの豊富さや保証内容の手厚さも大手のメリットと言えます。全国展開している企業が多いので、長距離、遠隔地への引越しにも実績があり、安心して任せられるでしょう。
一方、地域密着型の会社は、画一化されたサービスメニューの種類は少ないかもしれませんが、顧客ごとの細かな要望に対応してくれる可能性があります。料金面での相談にもサービス内容の調整で対応してくれる、突発的な事態にも融通が利きやすいということもあるかもしれません。また自社の商圏では土地勘があるので、トラックが通行できる最短な運送ルートや車両の停車場所なども把握していて安心です。
次に、業態別でも違いがあります。具体的に言うと、「引越し専業」と「運送業との兼業」です。引越しを専業とする会社は、引越しをするための設備・資材・車両・スタッフを備えており、そのサービスだけを提供します。兼業会社は、運送サービスの一業務として引越しを請け負います。
専業会社は、段ボールの種類や他の梱包材などが充実しており、オプションサービスも豊富なので、楽器類や精密機器類などの運搬に気を遣う特殊なものを荷物に含む場合に向いています。
兼業会社は、ごく一般的な家具や布団、衣類、生活用品などが主な荷物で、分量もさほど多くない場合には料金面でのメリットが出るかもしれません。
複数社に見積もりを取るメリットと依頼時のポイント
引越しは、荷物の量や種類、移動距離などの条件がそれぞれの場合で異なるので、当然料金も案件ごとに違ってきます。ですから、引越しを発注する際には必ず費用の見積もりを出してもらう必要があります。引越し会社により特徴やサービス内容はさまざまなので、見積もりは複数の会社に依頼しましょう。そうすることで、詳細なサービス項目と料金の比較ができるので、引越しの内容に合っているのがどの会社か、また内容を変えることでさらに安くなりそうなのはどの会社か、オプションを付けても割安感があるのはどこかなどがわかります。そのためには正確な見積もりで正しく比較しなければ意味がありません。
【情報を正確に伝える】
見積もり依頼時に気をつけるポイントを覚えておきましょう。見積もりを依頼する方法はいくつかありますが、インターネットによる一括見積もりでも、個々の会社にメール・電話で頼む場合でも、依頼内容はできる限り細かく正確に伝えることが大事です。引越し会社からすれば、依頼主からの情報がすべてなので、これが曖昧だったり足りなかったりすれば、金額に幅があるとか仮の金額とか、実金額とは遠いものしか出てきません。
まず荷物の「量」「種類」をできる限り正確に伝えます。大きな家具は何がいくつあるか、パソコン類やオーディオ類など運搬に注意が必要なものとその数、段ボールの数と中身は何なのか。書籍なのか衣類なのか食器なのかによって重さや運び方も違うので、会社ごとに知りたい情報を確認しながら漏れなく伝えましょう。
仮に段ボール数個が増えても、実際にはさほど影響が出るものではありません。しかし、トラックの大きさが変わるほど荷物量が増減してしまうと、料金はまるっきり違ってしまいます。スタッフの人数も一人の違いで料金は大幅に変わります。また、グランドピアノやダブルサイズ以上のベッドなど、搬入に特別な手段が必要と思われるものがあるなら必ず伝えます。
この他、出発地と引越し先の住所、それぞれの場所の前面道路の状況、階段の有無、集合住宅の場合はエレベーターが使えるかなども料金に関わってくるので、必要な情報です。
【いろいろな会社に依頼する】
すでに説明したように、引越し会社ごとに特徴や得意とするサービス内容が異なりますから、大手・地域密着の中小企業、引越し専業・兼業など、いろいろな会社に見積りを依頼するといいでしょう。その上で比較すれば、自分に合った引越し会社を選びやすいですし、大手なのに思ったより安いとか、地域密着で頼みたいオプションサービスがあったなどという意外な結果が得られるかもしれません。
見積もり以外の選定要素
引越し会社を選ぶ際には、見積もり以外にもいくつか必要な要素があります。まず「対応」の様子です。例えば、見積もり依頼したときに丁寧で迅速な対応だったか、こちらがわからないことや不足情報を聞き出してくれたかなど、対応の姿勢はその後の仕事ぶりにもつながるので、選定の参考になります。
また、引越し費用は時期によって異なります。例えば、閑散期である1月と、繁忙期である3月下旬の料金を比べると、かなりの金額差が出ることがあります。そのため、仮に3月下旬の予定を前後2週間ずらすことが可能ならば、料金を下げることと、日時の希望が通りやすくなることが大いにあります。それらの差は、会社ごとに違いが出ます。閑散期にはキャンペーンを行って集客増加を図る会社もありますから、引越しの希望時期によっては見積もりを頼む前に、あたりをつけた会社のWEBサイトなどで情報収集することをおすすめします。
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